【解説】FIREとセミリタイア、アーリーリタイアは何が違うのか?

セミリタイアの始め方

今回は、先日TwitterでもつぶやきましたがセミリタイアやFIREなど似た様なリタイア単語の分類を整理してお伝えしたいと思います。

今回の記事の概要は

今回の記事の対象者
セミリタイアやFIRE、アーリーリタイアとかたまに見るけど、違いがよくわからない人
今回の記事でわかる事
セミリタイアやFIRE、アーリーリタイア等のリタイア系単語の意味と分類や違い

になりますので、最後まで読んでいただけると嬉しいです😁

 

FIRE(Finantial Independence Retire Early)とは?

近年、アメリカのミレニアル世代(1980年代~2000年代生まれ=10代~30代の若者)で流行している新しい生き方にFIREというものがあります。

 

FIREとは以下の4つの単語の頭文字から構成されており、読み方はFIRE(ファイア)です。

 

Finantial = 経済的
Independence = 自立
Retire = 退職
Early = 早期

 

つまり、「経済的に自立して、早期に退職」することを目指す生き方が、FIREなのです。

 

このFIREという生き方が広まったきっかけは、Pete Adeney(ピート・アデニー)さんという男性の方が、30歳にしてFIREを実現し、その経緯や方法をブログに書き綴って全米に広がっていったと言われています。

 

日本でもセミリタイアやアーリーリタイアという似た様な単語があり、それと混同されたり、またFIREの中にもいくつかの種類があり、なかなかわかりにくかったので今回はそれらの単語を、「必要な労働の種類」という軸で整理させていただきます。

必要な労働の種類で3つのグループに分かれる

FIREやセミリタイアなどの単語を必要な労働の種類によって3つのグループに区別して説明させてもらいます。

その3つのグループとは

フルタイム労働が必要な状態 = サラリーマン

半労働で生活ができる状態 = セミリタイア、Barista FIRE、サイドFIRE

労働は不要な状態 = アーリーリタイア、FIRE

になります。

 

以下、それぞれの状態を説明させていただきます。

 

 

フルタイム労働が必要な状態(サラリーマン)

 

ほとんどの日本人がこの状態だと思いますが、生活費を稼ぐためにフルタイム労働が必要な状態がまず一つ目の状態になります。

フルタイム労働
平日日勤帯(9時~17時)で働く労働のこと。ごく一般的なサラリーマン等の会社勤めの勤務体系。英語ではnine-to-five job。

 

この状態の所得と生活費は以下の関係式になります。

 

生活費 ≦ フルタイム労働所得

(生活費 > 不労所得 + 半労働所得)

 

もし仮に生活費がフルタイム労働所得より大きい(生活費>フルタイム労働所得)の場合は、かなりまずい状態です。

すぐに生活費を見直してください。😅

 

ちなみに総務省統計局のDBを参考にすると、日本の労働者の89%はサラリーマンであり、ほとんどの方が生活費を稼ぐ為にフルタイム労働を強いられている状況という事になります。

世知辛い世の中です😫

 

この状態から抜け出すために、株や不動産からの不労所得や、副業やアルバイト等の半労働を加えて所得を増やそうとしている方もいると思いますが、フルタイム労働以外で生活費を上回ることができなければ、次の状態(セミリタイアやサイドFIRE)に移行することはできません。

 

※ フルタイム労働所得以外の収入を得ている状態は、パーシャルFIとも呼ばれています。(一部分だけ経済的自立:Financial Independenceという意味)

 

不労所得
株の配当金や不動産の家賃収入等の労働をせずとも得られる所得のこと。厳密には不動産の家賃収入は完全に運営を管理会社に丸投げしない限り、客付けや修繕等の管理作業は発生するが、ここでは一律不労所得の分類とする。また、資産の取り崩しにより生活費としての現金を手に入れることも不労所得に分類する。
半労働
平日日勤帯勤務のフルタイム労働に対して、週3回や年に3か月などの短い勤務時間の労働のこと。パートやアルバイト、個人事業等の勤務形態には関係なく、勤務時間を短くすることで、自由な時間を多く確保できている働き方を意味する。

半労働で生活できる(セミリタイア、サイドFIRE、Barista FIRE)

不労所得と半労働所得の合計が生活費を上回り、フルタイム労働をする必要がなくなった状態をセミリタイア、サイドFIRE、Barista FIREなどと呼びます。

 

生活費 ≦ 不労所得 + 半労働所得

 

セミリタイア

定年退職のリタイアに対して、完全にリタイアせずに半労働をする状態、という意味で、半分のセミを付けた、セミリタイア という言葉が生まれました。

何となく日本人が作った造語かなと思っていましたが、ちゃんと英語でsemi-retiredという言葉があり、直訳すると「半ば引退」といったところでしょうか。

 

大橋巨泉さんが1990年ごろににセミリタイア宣言をしたことで、日本でこの単語が広まっており、他のサイドFIREなどに比べるとこの単語の方が最も日本で一般的に認知されている半労働スタイルですね。

 

Barista FIRE

FIREの中にも完全に経済的自立していなくても、半労働をしながらフルタイム労働からは早期退職する生き方があります。それが Barista FIRE です。

 

Baristaとはコーヒーを淹れるバリスタに由来し、アメリカではスタバで半労働してセミリタイアしている状態をBarista FIREと呼びます。

 

Barista FIREは労働する目的がセミリタイアの生活費の補填という目的に加えて、会社の健康保険目当てにスタバでパートで働くセミリタイア というのが本来の意味になります。

 

アメリカは日本と違って、国民皆保険でなく医療費用がかなり高額なので会社の健康保険か民間の保険に入っていないとろくに医療費さえ払えなくなってしまいますからね・・・

 

Barista FIREは優雅な響きに聞こえますが、実際はなかなか世知辛い背景があるFIREですね😅

 

つまり、Barista FIREは、健康保険が適用される雇用者という立場で半労働する状態が本来の意味なので、ちょっとセミリタイアの中でも狭義の位置づけになります。

雇用者という事なので、個人事業主等の自営業による半労働はBarista FIREとは言わないようですね。

 

サイドFIRE

Barista FIREと似た様な言葉にサイドFIREというものがあります。

こちらは副業=Side BusinessのSideがFIREの頭についていることから分るように、副業(だった半労働)を収益の柱としてセミリタイアしている状態をサイドFIREと言います。

 

この言葉はアメリカのFIREの定義の中には見つからず、日本のネットでしか登場していないので恐らく日本人が副業+FIREでサイドFIREという造語を作ったものだと思われます。

 

副業だった仕事をそのままメインの収入源にしてリタイアする流れは、とても理にかなっているセミリタイアのスタイルなので、Barista FIREよりもこちらのサイドFIREの方が日本人に適している気がします。

 

また、日本では基本的に複数の企業に雇用されることはないので、副業は雇用ではなく個人事業の場合が多く、その前提に立つと、セミリタイア・Barista FIRE・サイドFIREの関係性は以下の様に表現も可能です。

 

 

労働は不要(アーリーリタイア、FIRE など)

そして皆さんお待ちかね、誰もが一度はあこがれる完全リタイアの世界。

 

生活費 ≦ 不労所得

 

そう、働かなくても生活費以上のお金が手にはいる状態、それがFIRE(アーリーリタイア)なのです。

この状態のFIREにもいくつか種類がありますので、それぞれ説明します。

 

アーリーリタイア

アーリーリタイア=早期退職と言い換えるとわかりやすいのですが、通常の定年(60~70歳)よりも早期に完全リタイアすることをアーリーリタイアと言います。

 

このアーリーリタイアが今回登場する単語の中で一番定義があやふやだったので、整理に苦慮したのですがここでは早期に完全リタイアするという定義にしたいと思います。

 

Fat FIRE

十分な資産を形成し、リタイア後の生活は人並み以上の生活を悠々自適に送るFIREをFat(ファット:豊かな)FIREと呼びます。

実際にいくらくらいの資産や生活費をFat FIREと呼ぶかに関しては、FIREの本場アメリカでは平均世帯生活費の2倍を準備できている状態をFat FIREと呼ぶそうです。

 

アメリカの平均世帯生活費は約5万ドルなので、Fat FIREの生活費=不労所得は約10万ドル。

日本円にすると年間の生活費=不労所得が1,000万円😲

 

年間1,000万円の生活費って一体、どんな生活なんだ。。。

 

また、FIREには4%ルールという出口戦略が定義されており、これによるとFat FIREに必要な資産は1,000万円÷0.04=2.5億円

 

さすがFat FIRE、額が違いますね😅

Lean FIRE

Fat FIREと対比的に使われるFIREにLean FIREというものがあります。

生活費を平均世帯の半分程度を目指し、質素倹約を実施し収入の50%以上を貯蓄/投資に回すFIREをLean(リーン:質素な)FIREと呼びます。

 

アメリカの平均世帯生活費の半分なので、2.5万ドル=250万円ほどの年間生活費で過ごすスタイルで、先ほどのFat FIREと比べるとかなり現実的な数字に思えます。

 

また必要な資産も

250万円÷0.04=6,250万円

 

となり、安くはないですが届かない金額でもないと言えますね。

 

※Fat FIRE、Lean FIREと比較する際に、標準的なFIREはアメリカ平均世帯生活費程度の不労所得を用意できている状態となります。

Coast FIRE

そして労働は必要がないFIRE状態においても、やりがいや世界との接点を持つ為に労働をすることをCoast(コースト:順調な)FIREと言います。

 

FIREを実現している状態なので、稼げるか否かではなく、自分がやりたいかどうかで仕事を選んで打ち込める生活は素晴らしいですね。😁

 

FIREも必要な生活費や必要資産で細かく分けると以下の様に整理可能です。

 

まとめ

これまでFIREの分類を、必要な労働の種類を軸に

フルタイム労働が必要な状態

半労働で生活できる状態

労働は不要な状態

の3つのグループで説明しましたが、改めて1枚の絵でまとめると以下になります。

 

 

今回、紹介させていただいたFIREの中に、皆さんが目指したいリタイア像はあったでしょうか?

 

私は副業を続けていき、サイドFIREを目指したいと考えています。😁

 

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